三毛猫ホームズの無人島 (角川文庫)のレビュー
炭鉱閉山・その後
炭鉱で栄えた島が閉ざされ、人々は散らばって行きました。10年後、島に明かりが灯り、死者からの招待状が届きます。島で何が起こるのか、静かなスリルと情緒に満ちた作品です。
過去は薄れても決して消えはしません。10年前の感情が生々しくよみがえり、人々を動かします。またしてもホームズは謎を解く手がかりを提供し、10年前の真実が暴かれます。その後人々はどうするのか。人の生活は過去から現在へとつながっています。そんなことを気づかせる、「人間」を描いた作品です。
表題作以外の収録作品
「三毛猫ホームズの放火」
片山刑事と後輩の刑事は、スーパーに複数の人間が強盗に押し入っているのに遭遇します。犯人の二人を捕らえますが、口封じのため犯人たちは殺されてしまいます。落ち込む片山たちですが、犯人を捕らえようと奮起します。殺人あり少女をめぐる恋のバトルありのTVのサスペンスのような作品です。ややドラマチックですが内容は陳腐につきます。
つじつま合わせのようなストーリーはミステリーとしては納得できません。
「三毛猫ホームズの雪合戦」
珍しく雪の降る日、片山の妹晴美は先輩に相談があると呼び出されます。その学校では高校生たちが無邪気に雪合戦をしていました。先輩の悩み事とは何なのか。明かされないうちに波乱が幕を開きます。学校での小事件を描いた作品です。
「三毛猫ホームズのキューピッド」
少年は美しい従姉の恋人に手紙を届けることを頼まれます。親が大反対しているその恋は実るのか。恋人の不審な言動、親子の確執など、前途多難です。そして殺人事件が起こり、犯人は名乗り出ますが真犯人は謎のまま。片山とホームズの推理が光ります。人を見る目は養っておこうね、というお話です。
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無人島ではないかもしれないが、似たような話は推理小説でも多い。
三毛猫ホームズの無人島での大きな違いは三毛猫ホームズの役割だろう。
あるときは、犯罪の手がかりを、あるときは最後の犯罪を阻止する役割を担っている。
ps.
人気の三毛猫ホームズのシリーズは、なぜ、レビューが少ないのだろう。
楽に読めてしまうので、他人のレビューが必要ないのかもしれない。
通勤電車や旅行の乗り物での時間つぶしに読むのによく、
他人の感想など必要ないのかもしれない。
登場人物の片山刑事、妹の晴美さん、三毛猫ホームズ、石津刑事を、
容易に理解できるようになる軽妙なる書きぶりによるのかもしれない。
閉山となった炭鉱の軍艦島は有名で、舞台のわかりやすさもよいのかもしれない。